My Favorite Things.

03/28/2008 金曜日

あかりcafeにあかりが灯るまでのお話。

あかりcafeのオーナーは新宿でクラブを経営されている方で、僕はそのクラブでDJをしてました。
当時僕は新宿にあるjazz barで働いていて、仕事が終わると(ほぼ毎日)そのクラブに晩酌をしに行ってました。
そこで酒を飲みながらうだうだと話をしていた中に、このあかりcafe開業の話があったわけです。
まだcafeブームといってもそこまで広がりは無かった時代です。

もちろん僕はこの話に二つ返事で快諾。
昼は図面書いたり、他店舗をリサーチしたり、ビールを飲んだり、夜は相変わらず新宿の地下に潜ってレコードをかけてお酒を作っていました。

一番最初のヒアリングメモ
akari07.jpg

 

どこの案件でもそうですが、ネックはやっぱり予算。
このあかりcafeもご多分に漏れず、予算が一番の問題でした。
出てきた結論は出来るところは自分たちで(笑)
下地までを職人さんにお願いして、仕上部分の塗装や左官は自分たちでやるという事に。
作業内容は、床の板張りから塗装、壁の珪藻土塗、天井その他の部分の塗装等々。

やがて物件も決まり、工事も着工。
今度は厨房機材の買い出しや店内のテーブルや椅子等の家具屋さん巡り。
間を縫って細かい納まりの検討。
で、夜は新宿の地下で酒を作りながら飲んで、オーナーのクラブに行って飲みながら打合せ。

 

どの仕事でもまずは現調からです。
akari08.jpg

 

家具探しが一番キツかった(けど、楽しかった!)
有名どころな家具屋さんはもちろんですが、目黒、渋谷、青山といった細かい中古家具店もほとんど廻りました。
で、最後に行き着いたのはまだOPENしたばっかりの目黒のhike
まだ北欧家具といっても、ウェグナーやケアホルム、ヤコブセンといった大御所は別として、北欧の中古家具はそんなに流通してませんでした。
家具屋巡りの最後の方でhikeにたどり着いたのですが、オーナーも僕もほとんど一目惚れ。
店内のほとんどの家具はここで揃えました(かなりの金額でした)

家具も徐々に揃いつつあったところで、お店の方はセルフビルドの段階に。
後輩のDJやその仲間たちを総動員して、天井の塗装をしたり壁に珪藻土を塗ったり。
それが終わると今度は床。
今回使ったのは米松の足場板。
作業するのは僕だけ。
これには参りました。
図面は書いていても材料の刻みや加工なんて経験はないわけですから。

メニューの試作品を食べながら、買ってきたビールを飲みながら、しこしこと作業をしました。
ちなみにお店の床に隙間があるのは、板が無垢材で、かつ搬入時に乾燥しきってない状態だったので時間が経つにつれて隙間が空いてきたのです。
OPEN時はもう少しきれいでした。(所詮素人仕事ですが)

 

初期のスケッチ。ホントは竹をいっぱい植えたかったんです。
akari09.jpg
(障子は一番最初からデザインモチーフとしてありました)

 

で、やっとOPENにたどり着けるところまで来て音響のセッティング。
一番最初にスピーカーから音が出た時は本当に感動しました。
お店に必要なファクターが全て揃った瞬間です。(スタッフやサービスは除いて)
その時にサウンドチェックで聴いたのがコルトレーンのMy Favorite Thingsだったんです。
メニューの試作品を肴に酒屋さんからもらった協賛の生ビールで乾杯。
今までの人生の中で一番ぐっときた乾杯でしたね。

その後、予定通りOPENして今に至ってます。

色々な人の協力(ボランティア)があってこのお店はOPENする事が出来ました。
この店がつなげてくれた縁は今の僕の中でもとても大事なものです。

改めて、協力してくれた皆さんありがとうございました!

 

吊り棚のスケッチ
akari10.jpg

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