魚の目利きの話ではなくて、人間の話。
というか、背中が太っている魚は脂がのっていて美味しいというのが正解かな。

池波正太郎によると、寒い冬なんかは背中をごしごしと洗わない方が良いと。
石けんで背中の脂を落としてかさかさになってしまうと、そこから風邪が侵入してくるのだそう。
医学的根拠なんかは全くないけれど、昔の年寄りから教えてもらうような「知恵」だそうです。

男の作法 / 池波正太郎 (新潮文庫)

僕も全く同感。
まあ、僕の場合は背中に脂が乗っているくらいが良い男なんじゃないか、と思っていたんですけどね。
良い年頃になると「脂が乗ってるねえ」って言うじゃないですか。
それです、それ。

あっ、いや、他の部分はきちんと洗ってますよ、もちろん。
夏なんかの汗をいっぱいかく季節なんかはもちろん背中も洗いますしね。
決して不潔とかそういうじゃありませんよ。

そうはいってもこの季節、ふと気を抜くと風邪を引きやすくなっているのも事実。
風邪っぴきも周りで絶賛増殖中ですしね。

で、わたくしもご多分に漏れずここのところ調子があんまり良くない。
咳が止まらない。

新しい案件のプランニングがあるというのに、ぼーっとするのだ。
何か新しいことができないかなと、ぐるぐると頭の中で回ってはいるのだが、うまいこと考えがまとまらない。
思いつくままに書き留めてみるんだけど箇条書きで止まってしまう。

本を読んでいてもあんまり頭に入ってこない。

しかしこの間届いたこの本は、そういった状況でも自分の思考回路に刺激を与えてくれた。
断片的に挿入されている詩的な言葉やスケッチの数々は、十分に想像力をかき立ててくれるのだ。
言葉にしてもスケッチにしても饒舌でないところが良い。

久しぶりに良い本に出会えました。

informal / Cecil Balmond (TOTO出版)

さて、もう一度組み立てを考え直してみよう。
何ができるかはわからなくて良いのだ。

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